歯周外科

歯周外科とは

歯周病の進行により歯槽骨が吸収されてしまった場合などには、「エムドゲイン法」などを行い、骨の再生を促進します。このように歯周外科の主な目的は、歯周ポケット内の汚れの除去や、破壊された歯周組織の形成を修復することです。それにより歯周病の症状を改善させるとともに、ブラッシングなどの毎日のご自宅でのケアが行いやすい環境を作り、大切な天然歯の保存をはかります。

エムドゲイン法

エムドゲイン法とは、歯周病の進行により溶けた歯槽骨を、特殊なタンパク質によって再生させる治療です。1997年にスウェーデンで臨床応用されて以来、副作用もなく安全な治療方法として世界各国で行われています。切開した歯茎の部分に「エムドゲインジェル」というタンパク質の一種を塗布することで、溶けた歯槽骨の再生を促進します。

エムドゲイン法の流れ

1局所麻酔を行い、治療する部分の歯茎を切開します

2切開した部分の歯茎を、部分的に剥離します

3歯根の表面に付着している歯石などの汚れを除去します

4歯石などの汚れを除去した歯根の表面に、エムドゲインジェルを塗布します

5部分的に剥離した歯茎を元に戻し、切開部分を縫合します

歯周組織再生法(GTR法)

歯周組織再生法(GTR法)とは、歯周病の進行により溶けた歯槽骨の再生を促進する治療です。歯周病により溶けた歯槽骨は、歯周基本治療などを行っても再生させることはできません。これは、歯槽骨が自然治癒により再生される前に、まわりの歯茎が回復し、再生するために必要なスペースを奪ってしまうためです。そのため、GTR法では歯槽骨が再生するまで歯茎がスペースを奪わないように、患部を「メンブレン」という人工膜で覆い、溶けた歯槽骨が再生されるのを待ちます。

歯周組織再生法(GTR法)の流れ

1局所麻酔を行い、治療する部分の歯茎を切開します

2歯根の表面に付着している歯石などの汚れを除去します

3歯槽骨が不足している部分を、メンブレンで覆います

4口腔内を清潔な状態に保ち、歯槽骨が再生されるのを待ちます

5歯槽骨が再生されたのを確認した後、メンブレンを除去します

歯肉弁根尖側移動術(APF)

歯周病の進行により深い歯周ポケットが形成されたり、歯茎が薄くなったりしている場合などに、シャローサルカス(健康で生物学的幅径を保持している状態)を形成したり、歯茎の維持・増加をはかったり、歯周ポケットをなくすことなどを目的に行われる治療です。なお、歯肉弁根尖側移動術(APF)を行った後は歯根が露出してしまうため、知覚過敏が起こったり、2次カリエスにかかったりするリスクが高まりますので、適切なプラークコントロールに努める必要があります。

歯肉弁根尖側移動術(APF)の流れ

1歯槽骨に歯根膜を残すようにして、歯茎を切開します

2歯根の表面に付着している歯石などの汚れを除去します

3切開した歯茎の先端を、根尖側に動かして縫合します

4歯茎が歯冠側に向かって治癒していくため、歯周ポケットのない良好な状態を作ることができるようになります

遊離歯肉移植(FGG)

歯根の周囲に角化歯肉(コラーゲン繊維が豊富な、硬く動かない歯肉)がない場合、ブラッシング時の圧力に耐えることができないため、適切な歯磨きが行えなくなったり、歯茎が痩せて薄くなってしまったり、炎症を引き起こしたりする場合があります。こうした状態を改善するために行われるのが、遊離歯肉移植(FGG)です。FGGでは、上顎の口蓋(こうがい)から上皮の付いた歯肉を剥離し、歯根まわりに移植し縫合することで、不足している角化歯肉を補います。

遊離歯肉移植(FGG)の流れ

1上顎の口蓋から必要な分だけ、上皮の付いた歯肉を剥離します

2剥離した歯肉を、歯根まわりの角化歯肉が不足している部位に移植・縫合します

31週間程度歯肉の状態を経過観察した後、問題がなければ抜歯します

歯肉結合組織移動術(CTG)

歯茎が痩せて薄くなっている場合や、抜歯後の歯槽堤(抜歯後にできる土手)に陥没部分がある場合などに、上顎の口蓋から結合組織のみを剥離し、歯茎が痩せて薄くなっている部分などの上皮と骨膜の間に移植することで、歯茎の厚みを回復させる治療です。これにより、適切なブラッシングが行いやすくなったり、インプラントを長持ちさせたりすることができるようになります。

歯肉結合組織移動術(CTG)の流れ

1上顎の口蓋の上皮をめくり、必要な分だけ結合組織を剥離します

2歯茎が痩せて薄くなっている部分などの上皮と骨膜の間に、剥離した結合組織を移植します

3結合組織移植後、縫合します

4患部を経過観察した後、問題がなければ抜歯します

歯肉剥離掻爬手術(FOP)

歯肉剥離掻爬術(FOP)とは「フラップオペ」とも言い、スケーリングやルートプレーニングなどの歯周基本治療を行っても歯垢(プラーク)や歯石などの汚れを完全に除去することができず、症状を改善に導くことができない場合などに行われます。歯茎を切開し、歯周ポケット内に溜まっている汚れをきれいに除去したのち、切開した歯茎を基に戻して縫合します。

歯肉剥離掻爬術(FOP)の流れ

1歯茎を切開し、歯周ポケットを可視化します

2歯周ポケットの奥に溜まっている、歯垢や歯石などの汚れ、また炎症を起こしている組織などを除去します

3切開した歯茎を元に戻し、縫合します

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