顎関節症
顎関節症とは、顎の関節(顎関節)やそのまわりに何らかの異常が生じることにより、「顎が痛い」「口が大きく開かない」「口を開けるとカクカクと音が鳴る」などの症状を引き起こす疾患です。症状は軽度のものから重度のものまで様々で、「硬いものを噛んだら顎が痛くなったが、しばくしたら治った」など、放っておいたら自然に治ったというケースもあれば、手術が必要になるケースもあります。放置していたら治ったという軽度のものも含めると、日本人の2人に1人が顎に何らかの異常を感じた経験があるとされています。
顎関節症の原因
顎関節症の原因ははっきりわかっておらず、歯ぎしり(ブラキシズム)、「ものを食べる時に、片方の顎ばかりで噛む」「横向きでテレビを観る」などの顎に悪い生活習慣、噛み合わせの悪さ、精神的なストレス、外傷、アレルギー、リウマチ、関節炎などの病気が要因となって、顎関節症を引き起こすのではないかとされています。
歯ぎしり(ブラキシズム)
歯ぎしり(ブラキシズム)とは、睡眠時などに、上下の歯を動的・静的に擦り合わせたり、噛みしめたりすることで、「がちがち」などの音を鳴らす習癖です。歯ぎしりが行われると、顎の関節に過度な負担がかかることがあるため、顎関節症の原因となる場合があります。
顎に悪い生活習慣
顎関節症の原因の1つとして、「顎に悪い生活習慣」が挙げられます。これが原因である場合、生活習慣を改善しなければ症状が治まることはありません。一時的に症状が治まったとしても、再発する可能性は高いと言えます。なので、顎関節症の症状でお困りで、次のような生活習慣に心あたりのある方は改善を心がけるようにしてください。
噛み合わせの悪さ
噛み合わせの悪さも、顎関節症の原因となる場合があります。噛み合わせの悪さは、噛み合わせを考慮せずに行われた抜歯・歯列矯正・歯の削合・詰め物や被せ物などの治療によって引き起こされる場合もあれば、歯の変形など生まれつきの要因により引き起こされる場合もあります。いずれにせよ、噛み合わせの悪さを改善するためには、歯科医院で適切な検査・治療を受ける必要がありますので、顎関節症の症状でお悩みであれば、一度当クリニックまでご相談ください。
精神的なストレス
精神的なストレスと顎関節症には、深い関わりがあるとされています。事実、顎関節症でお悩みの方の多くが、精神的なストレスを抱えていると言われています。「神経質」「几帳面」「せっかち」「完璧主義」などの性格的傾向をお持ちの方は、顎関節症になりやすいとされており、さらに顎関節症の原因の1つとされている「食いしばり」「歯ぎしり」なども、精神的なストレスから引き起こされる場合があります。
外傷
顎をぶつけるなどの外傷も、顎関節症の原因となる場合があります。衝撃により顎が移動すると、顎関節内の関節円板がずれたり、軟骨を傷めたりすることがあり、その結果、顎をぶつけた直後には顎が開けにくくなったり、開けた時に痛みが生じたりする場合があります。
顎に痛みがある時に硬いものを噛むと悪化する場合があるので、できるだけ柔らかいものを食べるようにしてください。また、ぶつけた直後には炎症が起こることもあるので、すぐに冷やして治癒を早めるようにしてください。
病気
アレルギー、リウマチ、関節炎などの病気により、顎関節症が引き起こされる場合があります。また、自律神経失調症、うつ病、不眠症なども、顎関節症と深い関わりがあるとされています。
顎関節症になりやすい病気
など
顎関節症を改善するために～生活習慣を見直しましょう～
多くの場合、顎に負担のかかる生活習慣を見直すことで、顎関節症を予防することができます。片方の顎ばかりでものを噛む、頬杖などの癖は顎関節症の原因となる可能性があります。また、硬いものばかりを食べていると、顎に負担をかけてしまう場合があります。こうした生活習慣に気をつけるだけでも、顎の負担を軽減し、顎関節症を改善に導くことが可能ですので、普段からご自身の癖に注意するようにしてください。
顎関節症の治療
一般的に顎関節症の治療では、スプリント療法が用いられます。スプリント療法とは、マウスピースを使った治療で、就寝中にマウスピースを装着することで、顎にかかる過剰な力を緩和し、噛み合わせを正しい位置に導きます。スプリント療法は顎関節症だけでなく、歯ぎしり、いびき、睡眠時無呼吸症候群の改善にも効果を発揮しますので、これらでお悩みの方もお気軽に当院までご相談ください。
